テディベアと言えばアメリカやイギリスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、実はドイツはテディベアの母国と言われています。
「テディベアの生まれについて深く知りたい」
「テディベアの母国であるドイツのブランドからプレゼントを選びたい」
今回はそんな方におすすめの内容となっています。
テディベアを語るうえで外すことのできないドイツを、さっそくご紹介していきましょう。
この記事に書かれていること
ドイツのテディベアの歴史
テディベアの生まれ故郷であるドイツでは、19世紀末からテディベアの前進となる、本物のクマを模した四肢で立つぬいぐるみが製造されていました。
その頃、ドイツは世界のおもちゃ産業のリーダー的存在。
ぬいぐるみの製造においても毛皮にもこだわり、本物の毛皮に似せて新素材を開発したり、モヘアのフラシ天を使用するなど品質のよい製品を生み出していました。
1902年、ドイツにあるシュタイフ社によって世界で初めてテディベアが誕生します。
その翌年の1903年。
アメリカでテディベアブームが巻き起こります。
1902年、ルーズベルト大統領が熊狩りに出かけたものの、熊を撃たなかったという英断が話題となり、そこからテディベアブームに火が付きます。
By Clifford K. Berryman – Washington Post November 16, 1902, パブリック・ドメイン, Link
1903年~1910年はテディベアブームのピーク。
ドイツのテディベア工場へ注文が集中しました。高まるテディベアの需要に対応するため、工場が次々に誕生していきます。このあたりをベア年といいます。
1930年には老舗の人形メーカーであるゲブリューダー・ジュセングート社やエルンスト・リーベルマン社などもテディベア産業に参入。
その後は、コレクター向けテディベアがどんどん発売されるようになりました。
アメリカでテディベアが大人気!ドイツが輸出を手掛ける
1903年~1910年アメリカのテディベアブームにより、ドイツのテディベアメーカーに注文が殺到したのは上記最多通り。
特にシュタイフ社では1903年から1908年にかけて需要が集中し、1年間の製造数が12000体から約975,000体にまで激増しました。
この記録は未だ抜かれていないと言われています。
しかし1913年には競合であるイギリスの6倍にドイツの玩具生産高が達します。
しかし、第一次世界大戦の勃発によりイギリスではドイツ製品の輸入が禁止となることで、イギリスのテディベア産業が盛り上がることになるのです。
シュタイフ社の登場
シュタイフ社は1880年マルガレーテ・シュタイフにより創設されました。
1902年、シュタイフ社は世界で初めて「テディベア55BP」を製造します。
1903年のライプチヒで開催された見本市でこのテディベアを発表し、アメリカの卸業者の目にとまりました。
3000体の発注を受け、アメリカのテディベアブームを機にシュタイフ社は急成長を遂げます。
ユニークなテディベアがぞくぞく誕生!人気は「ゾッティ」
シュタイフ社で人気のテディベア「ゾッティ」は1951年に初めて売り出されました。
2011年には誕生60周年アニバーサリーテディベアとして、1951体限定販売されています。
いまだに人気があり愛されるテディベアです。
毛の特徴を表すドイツ語のzottig(シャギー)がゾッティという名称の由来です。ゾッティは立っているタイプだけでなく、寝そべっている「スリーピング・ゾッティ」も製造されました。
ゾッティの特徴はシャギーモヘア・フラシ天と、口を開けたあどけない表情です。
あまりの人気から、多くのコピー品が作られたほど。コピー商品と見分けるにはシュタイフ社製のみ胸板がピーチ色になっているため、見極めの際はぜひ胸板に注目してみてくださいね。
ドイツのテディベアで有名なメーカーとは?
現在も有名なドイツのテディベアブランドはシュタイフ社とハーマン社といえます。
ハーマン社
どちらも100年以上の歴史を持つ老舗で、昔も今も変わらずファンの心を掴んでいます。
ハーマン社は1920年代に「ノーノーベア」というしっぽを動かすと首を左右に振るテディベアを製造したことで、成功を収めました。
その後はテディベアだけでなく、人形や他の動物もラインナップに加え成長していき現在に至ります。
シュタイフ社
シュタイフ社はドイツを代表するテディベアメーカーになりました。コレクター向けから子供の遊び相手まで。
数多くの愛されるテディベアを作っています。
子どもから大人まで満足できる、高品質の仕上がりのテディベアはプレゼントに最適です。
シュタイフ社のテディベアの特徴
シュタイフ社で製造されたテディベアには、トレードマークとして「ボタン・イン・イヤー」が付けられています。
シュタイフ社で製造された高品質なテディベアであるという証拠。
模倣品への対策として1904年から取り付けられた「ボタン・イン・イヤー」は、世界で最も古いトレードマークと言われています。
「ボタン・イン・イヤー」は黄色タグと赤文字、白色タグと赤文字、白色タグと黒文字、その他の4種に分けられます。
定番品や限定品などでタグの種類が変わります。
まとめ
ドイツ生まれのテディべアについてまとめてきました。
どことなく、ユーモラスで愛嬌のある表情が多いドイツのテディベア。古くから作られているだけあり、アンティークテディベアの数も種類も豊富です。
愛らしいドイツ生まれのテディベア。
これからも伝統を受け継ぎつつ時代に合わせたテディベアたちの誕生が楽しみですね。